浅く広く学ぶ不用品とごみ
水素と炭素と酸素が主成分のプラごみは焼却がもっとも効率的な処理方法だが注意点もある

水素と炭素と酸素が主成分のプラごみは焼却がもっとも効率的な処理方法だが注意点もある

プラごみは土に埋めても分解されないため、自然環境に悪影響をもたらすと言われています。
また、海洋に投棄されたプラごみを水鳥や亀が誤飲して死んでしまうケースもあることから、ごみの元になるプラスチック製品の製造が問題視されているのも事実です。

その一方でプラごみは正しい方法で処分すればほとんど問題はありません。プラスチックは石油から作られる物というイメージがありますが、実際は石油を精製する際に生じるナフサが原料です。石油の主な成分は水素と炭素と酸素ですが、ナフサもほぼ同様の成分になります。

ナフサも石油に燃やすとほとんどが灰になるので、焼却こそがもっとも上手な処理方法と言えるでしょう。

しかし多くの国や地域ではプラごみを燃やさず、そのまま土に埋める方法で処理しています。
プラごみを燃やすと有害な煙が発生して周囲を汚染すると言われていますが、これは低温で燃やすことによって有害な成分がそのままの形で放出されてしまうためです。

高温高圧の密閉された設備内で燃やせば短時間で完全に燃え尽き、少量の無害な灰が残ります。プラごみの主成分のうち、水素と酸素が焼却によって結合し、水蒸気になって消費されます。

少量のプラごみなら自分で燃やせると思いがち 後には少量の炭素が灰になって残るだけなので、容積を大幅に削減し、有害な物質も出さない高温高圧の焼却はプラごみ処分の理想的な方法です。
しかし、プラごみを無害な状態で処分するには高度な技術力が必要なことから一部の国で実施されるに留まっています。

少量のプラごみなら自分で燃やせると思いがちですが、燃焼による有害な成分の飛散は燃焼時の温度と関係があります。

素人作業での焼却では高温高圧の状態を保つことができないので、少量のプラごみでも有害な成分が飛散してしまうのです。特に屋外での焼却は火事のおそれがあるので絶対に行ってはいけません。プラごみの処分に関するルールは地域ごとに異なるので、トラブルを避けるためにも地域のルールは遵守しましょう。